J-FUNとは
1950年に国連総会で採択されたUNHCR事務所規程でも予見されたように、難民の支援・保護とその恒久的解決を図るUNHCRの任務遂行には民間機関(private organizations)との緊密な連携が不可欠であると考えられてきました。UNHCRとNGOの難民の支援・保護活動における協力関係をより強固なものとするために、1994年の『オスロ宣言および行動計画』によりパリナック(Partnership in Action: PARinAC)が設立されました。
このように1990年代後半からUNHCRはNGOを人道支援活動の単なる委託機関としてではなく、「パートナー」としての関係を構築してきました。毎年10月にジュネーブ本部で開催される執行委員会に合わせたNGOとの定期協議など、UNHCRとNGOとの協力関係は現場以外でも盛んに行われてきました。
世界各地でUNHCR事務所とNGOが連携し、UNHCRとNGOからそれぞれ担当者(フォーカル・ポイント)を選出してパリナックの共同運営を推進してまいりました。日本でもパリナック・ジャパンフォーラムが1995年後半に開設され、月一回程度の割合で定期的会合を開催し、難民をはじめとした人道支援の分野でNGOの役割に脚光を集める機会と場を提供してきました。
1998年には外務省との協賛でパリナック・アジア太平洋地域会議を主催し、2000年にはパリナックの分科会としてジャパンプラットフォーム準備会(後に NPO法人として独立)やパリナック分科会・国内難民支援部会(RAJA: Refugee Assistance in Japan)が設立されました。また、2001年にはNGOが自ら緊急人道支援を行う際の行動基準を作成した「Sphere Project」の日本語訳とそのトレーニングのための分科会も立ち上げられました。
UNHCRとNGOの継続的な連絡協議が執行委員会開催前に行われる年次協議会(Annual Consultations with NGOs)によって制度化され、個々の国際NGOが独自の体力とネットワークを備えるようになり、各地で開催されてきたパリナックは2000年代前半にその歴史的使命を終え、発展的解消を遂げました。
パリナック・ジャパンフォーラムは1995年から培ってきた難民支援・保護活動に焦点をおいたネットワークの維持を図るべく、パリナックの精神を受け継ぐ連絡・連携の枠組として、2006年度前半の準備期間の後、J-FUNを発足することを決定しました。
J-FUN (Japan Forum for UNHCR and NGOs - 日本UNHCR・NGO評議会)とは、難民支援と保護活動に従事する団体が自由に参加できる開かれたフォーラムであり、情報の交換と発信、広報活動、人員交流、共同イベントの計画・実施、そして長期的にはUNHCRが関連する事業への日本発NGOのさらなる参加の促進を目標としています。J-FUNの主要な活動は以下の三つの分野に要約されます:「顔 (Face, Visibility) 」、「声 (Voice, Advocacy) 」そして「手足 (Operation, Research) 」。
| 顔 (Face, Visibility) 世界には多くの忘れ去られた難民・避難民がいて、支援するNGOの苦労も一方ならぬものがあります。J-FUNは、難民や現場で働く人々の様子を日本の人たちに伝えていきたいと思います 。 |
| 声 (Voice, Advocacy) 難民・人道支援は数学とは異なり、解答は一つではありません。J-FUNでは、日本のNGOとUNHCR駐日事務所が一緒に、「日本発の人道支援(日本のレシピを含む)」を模索します 。 |
| 手足 (Operation, Research) 日本国内外を問わず、UNHCRとNGOの活動はフィールド(現場)が中心です。J-FUNは、他の国連機関や外務省、JICA、学識者等と連携しつつ、現場での仕事の質を上げることを目指します。 |
J-FUNの運営はUNHCRとNGOから毎年選出された共同議長二人によって行われ (本年度は岸守UNHCR副代表および橋本アドラジャパン)、UNHCR駐日事務所が事務局の機能を提供しています。月一回の割合で月例会合が国連大学内のUNHCR駐日事務所内で定期的に開催されています。月例会合において共同の広報・提言活動に関する連絡や議論を行い、構成メンバーの要請にもとづいて特定の課題を個別のワークショップ(分科会)にて深めることになっています。
誕生してまだわずかですが、2006年夏に東京ヴェルディ1969とのコラボレーションで実現したJ-FUNチャリティーサッカー、UNHCRマガジン2006年12月特別号『人道支援における日本の創意工夫(レシピ)』への寄稿、シンポジウムの共同開催、2006年7月のホプキンズ高等弁務官補と12月のグテーレス高等弁務官とのランチ・ミーティングが実施されてきました。また2006年8月にJ-FUNより「アドボカシー・ワーキンググループ」が設立し、11月にUNHCR友好議員連盟とのランチ・ミーティングを開催するに至っています。
組織運営
共同議長は毎年6月、参加加盟団体の投票により選出され、任期は1年です。
2007年度組織
| 共同議長(NGO) | 橋本笙子(アドラジャパン) | |
| 共同議長(UNHCR) | 岸守一(UNHCR駐日副代表) | |
| 共同議長補佐 | 鈴木泰生(アドラジャパン) | |
| 共同議長補佐 | 上月光(UNHCR代表補佐官) | |
| 特別顧問 | 熊岡路矢(UNHCR駐日事務所渉外アドバイザー) | |
| 事務局 | 小坂順一郎(UNHCR) |
